『夢うつつ』










クロム
「ここは…？」

ルフレ
「クロム」

クロム
「ルフレ！おまえ…どうしてペレジアに？」

ルフレ
「違うわクロム。ここ、夢の中みたいよ？」

クロム
「夢…？それで見覚えのない景色なのか」

ルフレ
「あたしが幼い頃を過ごした場所――ペレジアの王宮内の奥の宮みたいね」

クロム
「ルフレ――」

ルフレ
「ストップ。いま説明しても、起きたら忘れてしまうから」

クロム
「なぜそう断言できるんだ？」

ルフレ
「それは、さっき天の声がそう…」

クロム
「天の声？」

ルフレ
「自分でそう名乗ったのよ『ここは夢の中です。あなたとクロム様の魂は、あなたがこの世界に戻った時に少しだけ混ざりあってしまいました。よって、時々同じ夢を見ます。起きれば忘れる夢ですが…わたしの無聊を慰めてください』最後の一言の意味が分からなかったけど」

クロム
「俺とおまえの魂が混ざった…？(ルフレを抱き寄せながら)」

ルフレ
「そう。だからこれは、あたしが見ている夢でもあり、クロムが見ている夢でもある(素直にクロムの腕の中におさまる)」

クロム
「よく分からんが、おまえをこの手に抱けるのは有難い」

ルフレ
「(抱く、という単語に反応して顔を真っ赤にする。クロムの別れ際の言葉を思い出したらしい)」

クロム
「どうした？顔が赤いぞ」

ルフレ
「…そだ、クロム」

クロム
「なんだ？」

ルフレ
「右肩、大丈夫？」

クロム
「なぜおまえがそれを…魂が混ざりあったから、か？」

ルフレ
「たぶん、そうよ」

クロム
「(心配をかけたくないので出来れば詳しく話したくない。と悩む)」

ルフレ
「クロム？――んんっ」

クロム
「(ルフレの顎を掴んで口づけた)」

ルフレ
「――は、はぁ(ようやく解放されて息をつく)」

クロム
「心配するな。すぐ、イーリスに帰る」

ルフレ
「(少し潤んだ琥珀の瞳が揺れる。何事か話そうとして、やめた)」

クロム
「(ルフレの存在を確かめるように、再び口づける)」






--END--


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7/21-9/15まで拍手のお礼文だったものです。
ペレジア編 ３.の後ぐらいの出来事。

2012/9/15移動